粉瘤

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテローム)とは粉瘤は毛穴の一部がが何らかのきっかけで真皮内に潜り込んで袋状になり、袋の中に角質が溜まっていくできもので、アテロームとも呼ばれます。
自然に治ることはありませんが、良性腫瘍のため、生活に支障がなければ様子を見ても構いません。しかし、大きくなった箇所が化膿すると、治療が必要になります。

粉瘤の原因

粉瘤の原因は、現在のところまだ完全に解明されていません。
粉瘤は不潔な方にのみ起こる病気であると誤解されていますが、誰にでも起こりうる可能性があり、注意が必要です。
外傷等の刺激やウイルスの感染などで、毛穴の皮膚に近いところがめくれあがって生じるのではないかという説があります。稀に手や足の裏にも粉瘤ができることもあり、これらを外傷性表皮嚢腫と呼ぶこともあります。
他には、頭皮に生じやすい外毛根鞘嚢腫(がいもうこんしょうのうしゅ)、首や腋などで生じたものは多発性毛包嚢腫(たはつせいもうほうのうしゅ)と言います。また、炎症を起こして化膿したものは炎症性粉瘤と呼ばれます。

粉瘤の症状

最初はあまり目立たず、患部に触れると小さなしこりがあるような異物感を感じます。やがて、皮脂や角質が排出されずに粉瘤内に溜まると、半球状の大きなしこりになります。しばしば中央に黒い斑点が見られ、これが粉瘤の開口部分になります。ここを強く押すと、マヨネーズ状のドロッとした物質が出てくることがあり、独特の臭気を伴います。
粉瘤は通常痛みはなく、異物感がある程度の患者様がほとんどです。しかし、何らかの原因で粉瘤が炎症を起こすと、表面が赤く腫れあがり、痛みを伴うようになります。
炎症がさらに進行して化膿すると、表面の赤みはさらに増していき、やがて破裂します。
粉瘤が外部刺激によって壊れると、たまった老廃物によって炎症を起こし、これに細菌やウイルスによる感染が加わると炎症が悪化し、化膿すると考えられています。

粉瘤の治療

粉瘤の治療粉瘤は外科手術での治療を行い、炎症のない場合は当日の外来手術も可能です。
手術に要する時間は粉瘤の大きさによって異なり、根治目的の摘出術は20分ほどで終了します。
炎症がある場合は状態を確認し、患部が赤く腫れている、痛みがあるなど症状が強い場合、化膿している場合は、患部を切開し内容物や膿を排出して経過を観察後、摘出手術を行います。
「くりぬき法」という切開を最小限で済ませる手術方法もございますが、再発のリスクを伴うため、当院ではなるべく切開を小さくする努力をしつつ、腫瘍を完全に摘出する切開法による手術をお勧めしております。患者様の状態やご希望を伺ったうえで、術後のことも考慮し、ご納得して頂ける方法をご提案しております。
また、粉瘤の手術はいずれの方法も健康保険適用の手術となります。 お気軽にお問合せください。

当院の粉瘤治療の特徴

  • 痛みの少ない手術です
  • 専門医が見た目にも配慮した手術を行います。
  • 手術は摘出から丁寧に縫合まで行い、15分から30分程度で終わります。
  • 院長が手術から術後のケアまでしっかりとサポートいたします。
  • 傷の長さに配慮しながらも、再発を防ぐために被膜ごと摘出する切開法にて対応しております。
  • デリケートな箇所の手術も承っております。

〜女性の方へ〜

  • 当院ではデリケートゾーンの粉瘤も治療しております。お気軽にお問合せください。

くりぬき法

くりぬき法は細い円筒状の器具を使用して、粉瘤の中心に小さな穴をあけて摘出する方法です。粉瘤の中の膜と中身を引っ張ることで取り除くため、最小限の傷ですませることができます。通常縫合は行いませんが、大きな粉瘤の場合は縫合する場合もございます。
切開法は1週間前後で抜糸まで完了しますが、くりぬき法は2週間程度治癒に時間を要する場合もございます。患部が炎症しているものは、経過を観察しながら治療を進めてまいります。

粉瘤手術の流れ

1診察・診断

問診、触診などでしこりを確認し、粉瘤の診断を行います。
必要に応じ、超音波検査などを行うこともあります。
その後、患者様に治療方針のご説明をさせて頂き、同意を得られたうえで治療いたします。

2局所麻酔・手術

患部に局所麻酔を行い、麻酔の効果を確認後、手術を行います。粉瘤の真上の皮膚を切開し、粉瘤の膜を破らないように丁寧に周りの組織からはがして取り出し、取り残しがないか確認します。丁寧に縫合し、手術は完了となります。

3術後診察

手術した当日は、出血の恐れがありますので、手術後の入浴や激しい運動、飲酒は控えて頂きますようお願いいたします。また、当日もしくは翌日からシャワーでの入浴は可能になります。
1週間後、手術後の傷が塞がりますので、抜糸と経過観察のためご来院をお願いいたします。炎症の強い患部や、大きな粉瘤を手術した場合、血が固まりにくいお薬を服用されている場合は数回ほど通院して頂くことがあります。

4病理結果のご説明

摘出した腫瘍は病理検査を行い、最終的な診断をいたします。術後1か月後、患部の経過観察のため再度来院して頂き、その際に病理検査の結果をご説明いたします。

治療費用について

粉瘤の手術は健康保険が適用されます。

服から露出している粉瘤

粉瘤の大きさ(直径) 費用(3割負担の金額)
2cm未満 5,310~9,900円
2~4㎝未満 11,340~16,020円
4㎝以上 13,410~18,090円

服から露出していない粉瘤

粉瘤の大きさ(直径) 費用(3割負担の金額)
3㎝未満 4,170~8,860円
3~6㎝未満 10,020~14,710円
6㎝以上 12,810~17,500円